メニューにジャンプコンテンツにジャンプ
水巻町図書館
電話番号:093-201-5000

スタッフのおすすめ本(2025年4月)

更新日:2025年4月19日

april_recommend.jpg


 

「音のない理髪店」

一色 さゆり 著 講談社

「私の祖父は“日本で最初のろう理容師”です」

日本の聾学校で初めてできた理髪科を卒業し、聾者として最初に自分の店をもった正一。

正一の孫である五森つばめは、作家デビュー後スランプにおち前に進めずにいましたが、ある出会いをきっかけに祖父の半生を描くことを決意します。

聾の祖父母とコーダ(聾の親を持つ子ども)の父と伯母、そしてコーダの娘である、つばめの三代にわたって語られていて、著者の一色さゆりさんの実話に基づく物語でもあります。

昭和初期から戦後の日本の聴覚障がい者に対する歴史、家族や親族の思いなど、伝えていくことの大切さがわかります。

「視覚障害は“人と物”のあいだを隔てる障害で、聴覚障害は“人と人”のあいだを隔てる障害なんです」という文章が、障がい者にとって人と思いを伝え合えない苦しみがあることを感じさせられました。

(スタッフT)

 

 




4月のスタッフおススメ本の紹介です