更新日:2024年8月6日
「バウムクーヘンとヒロシマ ドイツ人捕虜ユーハイムの物語」
巣山ひろみ/著 銀杏早苗/絵
くもん出版
1919年3月4日、広島市の物産陳列館、現在では原爆ドームと呼ばれている場所で、日本で初めてバウムクーヘンが販売されました。
焼いたのは、第一次世界大戦時に捕虜として日本に連れて来られたドイツの菓子職人カール・ユーハイム。後の菓子店「ユーハイム」の創業者となる人です。
美味しいお菓子の歴史には、戦争や天災に翻弄されたひとりの菓子職人の壮絶な人生があったことに衝撃を受けました。
作中でカールは「菓子は平和なときにしか、つくれないのだね」と呟きます。
好きなお菓子が好きな時に食べられる平和な時間は、とても尊いものなのだと思わされた1冊です。